公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

研究の概要

【共に生き、ひびきあう子ども ~国語科の「話すこと・聞くこと」の領域を通して~】

主題設定の背景と研究構想図

研究の内容

各学年の研究と成果と課題

学年 日時 単元名 授業の目標 手だて・工夫 授業の観点 成果と課題
1年 10・27 「めいし」でじこしょうかいしよう 名刺を交換して、自分の思いを伝え、相手のことを知ろうと進んで話し合う。 ・「話すこと・聞くこと」の日常化
・アドバイザーを入れた。
・よかったねカードを作った
・子どもたちは、自分の思いを伝え、相手のことを知ろうと、進んで話し合っていたか。
・「話すこと・聞くこと」力の定着を図るために、1年生でもアドバイザーを設定したことはどうであったか。
(成果)
・話し合いの方法やルールを学ぶ、はじめての学習であったため、話し合いのやりとりを見せた「お手本ビデオ」や、話し方・聞き方のルールを学ぶ視覚的な教材・教具はとても効果があった。
・「最後まで話す」「黙って聞く」ことができるようになり、共感的受容の姿勢が育った。そのため、話してよかった、聞いてよかったという思いをもって学習に取り組むことができた。
・話すことへの抵抗感がなくなり、日直のスピーチなどでも楽しそうに話すようになった。
・アドバイザーの位置づけがとても難しかったが、純粋にアドバイスをする立場ではなく、よいところを見つけるための役割として位置づけたことは1年生にはよかった。

(課題)
・今回は、アドバイザーの役割があったので、話す機会が1時間に1度と限定されてしまったが、1年生では多くの経験をすることが大切であると考えた。1時間の中で多くの友達と話をする授業の形態をとった時に、とても意欲的に話をする姿があった。アドバイザーの経験を積み重ね、アドバイスをしながらも多くの友達と話ができることが理想だが、実態に応じ両面で授業を考えていく必要があると考えた。
2年   友だちに分かるように話そう 「たからものやじまんをしょうかいしよう」 3人1グループで「宝物やじまんを紹介し合う。 ・課題の明確化と、思いや考えを膨らませる時間の確保
・共感的な学級の雰囲気作り
・豊かな言語環境
・対話にアドバイザーを入れたのはよかったか
・アドバイザーに話し手と聞き手の両方を観させることはよかったか
・ワークシートの内容はよかったか。
(成果)
・「話し方・聞き方」を学び、児童が一人一人意識して話し合うことができた。 ・聞き手・アドバイザーの立場から話し方を評価し合うことを通して、友達の良いところを探そうとする態度が育ってきている。 ・国語の教科にかかわらず、話し方について児童が振り返ったりアドバイスしたりする様子が見られるようになった。 ・共感すること・されることに楽しみや喜びを感じ、話すことに意欲的になっている。

(課題)
・話し合い活動を他の教科にどう取り入れていくか研究を進めていく必要がある。 ・「話し方・聞き方」をしっかりと身につけるには継続して指導し、積み重ねることが必要である。
3年 6・23 楽しい活動を考えよう(グループで話し合おう お楽しみ会について話し合う。一回目の話し合いをもとに話し合う。 ・児童が興味をもてる話題、相手意思のある教材にした。
・自分の技能を確認するために話し合いカードなどのワークシートを活用する。
・話し方や聞き方、話し合いの仕方のトレーニングをする。
お互いの考えの共通点や相違点を考えながら、話い合うことができていたか。 〈成果〉
・子どもが興味を持ち、経験のある話し合いの教材や相手がある教材では、話す、聞く、話し合いの活動が活発になる。
・話す力は話し方の仕方やルール、注意点、練習、ワークシートを使うことで力がつき、意欲や発表力が高まる。
・聞く力は話を聞くポイントを明確にすることで聞く意欲や気持は高まる。 ・相手を意識した話や発表の後、アドバイスを受けて修正したり、よりよく工夫したりできてきた。
・話す力、聞く力、話し合いの力は朝のスピーチや定期的な話題、各教科の話し合い、学級会、班や係の話し合いなどで、話す、聞く、話し合いの力が付いてきている。 ・研究のまとめとして、総合的な学習の時間に3・4年がお互いに発表しあい聞きあう機会を設けた。その結果、相手意識が生まれてさらに分かりやすく伝えようとする意欲が見られた。
〈課題〉
・話の要点や相手の意図を考えながら聞く力はまだまだである。
・話を聞いて、よりよい質問をしたり、相手のいい所を見つけ、返してあげたりする力はまだまだである。
・話し合いの時、立場を替えたり、分担したり、話し手や聞き手をより意識してできる力をもっと育てたい。
・話し合いの必要性や意義、話し合いのよさをもっとわからせたい。
・教師の声かけや工夫をもっと考えていきたい。
4年 6・16 楽しく伝え合おう「雨の日の遊び集会を開こう」 「雨の日の遊び集会をしよう」の出し物を各グループで考え、みんなに分かるようなよりよい発表を考える。 ・グループの話し合いにしたのはよかったか。 ・話し合いなどは効果的だったか。
5年 1・26 考えを伝え合って深めよう 「討論会をしよう」 計画的な討論会を通して、意見をはっきり述べ合い、自分の考えを深める。 ・ワークシートを活用し、討論会のねらいや一人一人の役割を明確にする。
・討論会の準備や進め方について、理解するための時間を十分に確保する。
・立論の根拠となる情報を収集したり、まとめたりする時間を十分に取る。
・自分の立場や理由を明確にしながら話したり、意図を考えながら聞いたりしていたか。
・討論会の仕方を理解して討論に参加していたか。
・役割をはっきりさせて討論することで、一人一人が意欲的に討論会に参加し、討論会の進め方について理解できた。
・準備の時間を十分に確保することで、グループでの話し合いをもとに自分の考えをまとめ、自信をもっては話し合いに参加することができた。
・参観者をアドバイザーとして位置づけることで、話し手や聞き手のよさに目が向き認め合えるようになった。
・学習カードを活用し、判定の観点を明確にすることで、話したり聞いたりする時にポイントを意識して取り組めるようになった。
・立論や反論の理由を明確にすることができるようにするために、論題を十分に吟味して提示する必要がある。
・討論会の学習を通して身に付けたことを、さらに他教科・領域での話し合い活動で活用していく。
6年 6・23 考えを伝え会って深めようみんなで作ろう「未来の車」 パネルディスカッションをして、自分の考えを深める。 ・司会台本を用意して、進め方を事前に指導する。
・ハンドサインを活用する。
・話し合い名人カードや学習シートは、話し合いを深めるのに効果的だったか。
・児童は自分の役割(パネリスト、フロア、アドバイザー、司会)を理解して話し合いに参加していたか。
・全員に明確な役割があったので、児童が話し合いに積極的に参加できた。
・話し合い名人カードや学習シートを手がかりにして、パネルディスカッションの方法を理解することができた。
・パネリストの最後の意見発表では、話し合いで出された意見をふまえた上で、自分の考えを伝えることができた。相手の意見を受けとめながら聞き、自分の考えに活かそうとする姿勢が育ってきた。
・話し合いを客観的に聞くアドバイザーが、的確に評価をしていたので効果的だった。
・話し合いのテーマ選定を工夫し、争点のはっきりしたものにする。 ・司会の指導を段階的かつ継続的に行い、話し合いを焦点化する力を育てる必要がある。
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