教育研究グループ支援(研究成果報告)
障害児英語教育研究会
代表者 小林 省三
学校名 江戸川区立二之江小学校
研究テーマ
- 「担任とALT(外国人英語講師)との英語コミュニケーション体験活動」
研究期間:平成22年4月1日から平成23年2月28日まで
研究結果の概要
コミュニケーション能力の素地を養うことをねらいとして、年間を通して15時間の外国語活動に取り組んだ。児童同士のコミュニケーションをねらいとするグループと、大人との関わりを通してコミュニケーション能力を育てることをねらいとするグループの二つに分けて実施した。成果は以下の通りである。
個別指導計画を基に、児童の活動の様子を毎時間記録し続けたことで、一人一人の変容や課題がより明確になり、活動もより実態に沿うようになった。
児童の学習経験や興味・関心、理解力に応じた教材(歌、ダンス、数遊び、ゲームなど)を精選したことで、大人と子供や子供同士の関わりが広がり、児童が積極的にコミュニケーションを楽しめる機会が多くなった。
発達段階や理解力に応じたグループ分けを行ったことで、各グループともに大きな変容が見られた。Aグループでは、児童同士のコミュニケーションを楽しむ姿、HRTやALTからの働きかけに自信をもって応じられる姿が多く見られるようになった。Bグループでは、英語の音声や音楽に親しみながら、英語活動に対する期待感を高めていく様子がさらにみられた。また、大人とのコミュニケーションを楽しめるようになってきた。
朝や帰りの時間、休み時間、図工や音楽の時間でも、あいさつや色、数などを英語で表現したり、英語の歌を口ずさんだりする姿がみられるようになってきた。
また、課題は以下の通りである。
相手を受けて返していく相互のやりとりができるような活動内容を検討する。
記録を基に個別指導計画を作成し直すことで、個々の実態や課題を明確にし、個に応じた活動内容や展開、教材・教具の工夫を行う。
児童の実態や交友関係などを十分に考慮した上でのグループ編成や座席配置を行い、児童一人一人が活動に対する見通しと期待感をもち、落ち着いて活動できるよう配慮する。
集団参加や活動のきまりを理解することが苦手な児童に対するより効果的な支援のあり方を研究する。
ゲームの進め方やルールを考えたり、考えたことを表現したりすることが苦手な児童が多いため、今後も教育活動全体を通して考える力や課題解決能力を身に付けさせるようにする。