公益社団法人 東京都教職員互助会

文字サイズ変更
トップページ > 教育振興事業 > 平成23年度 助成グループ 研究テーマ > 和田小学校ICT研究会

教育研究グループ支援(研究成果報告)

和田小学校ICT研究会

代表者 福田 晴一
学校名 杉並区立和田小学校

研究テーマ

研究期間:平成21年4月1日 から 平成24年3月31日まで

研究結果の概要

【目的】

平成21年度から中学年を中心に活用していた「ポケモンPCチャレンジ」を系統的、意図的に二年生から五年生まで展開活用し、児童のパソコンスキルを向上させること。同時に、担当教員のICTに関する意識啓発とパソコンに関する基礎スキルを習得させること。教科指導の面からも、三年生から始まるローマ字学習の補完をすること、高学年の外国語活動のネイティプな発音を聞き取ることも、付随する目的とした。

【内容】

【概要】

学習指導要領の総則には、小学校の段階でコンピュータの基礎的なスキルの習得と記されているが、具体的な指導計画が無いままに、担任の発想・技術のもとに指導されている現状があった。多くは、高学年になり社会科等の調べ学習でインターネットを使用して、コピー&ペーストでコンピュータを活用した認識となっている。結果、我流のパソコンスキルで小学校を卒業していく児童が多く見られる。そこで、児童に親しまれているポケモンのキャラクターを使用した「ポケモンPCチャレンジ」を活用して、二年生から五年生まで、学級活動や総合的学習の時間に系統的に取り組むこととした。ローマ字の学習が始まる三年生においては、ローマ字の小文字を習得することは難しい。また、パソコンのキーボードには小文字表記が無く、児童は入力に苦慮し、意欲の低下を招きかねない。今年度は全校で意図的・計画的に扱ったので、二年生で3時間、ローマ字学習が始まる中学年以上は5時間程度の扱いとしてみた。

【結果】

人気のキャラクターゆえ、児童は主体的に取り組み、楽しく学習することができた。スキル習得としても、二年生でスイッチのオンオフ、ディスクの出し入れ、マウスの基本的操作を楽しく習得することができた。中学年は、マウスのドラッグ、クリック、簡単なローマ字入力も習得した。高学年は、ホームポジションや秘密の言葉としてのパスワードを学習し、情報モラルにまで至ることができた。ブラインドタッチとはいかずとも、十分に中学校でパソコンを使用するに値する基本的スキルの習得が図られた。また、中学年においては国語では十分な時間がとれないローマ字に関する学習も、補完することができた。高学年は入力の言葉が、ネィティブな発音されることで、英語のヒアリングの学習も体験できた。どの学年も、ポケモンによるパソコンスキルの学習は、とても楽しいとの評価を得た。また、保護者からも自宅でも取り組んでみたいとの声があがった。年配のパソコンに不得手な教員も児童と一緒に取り組むことで、基礎スキルを習得すると共に、児童との信頼関係も深まった。懸念された、保護者からの異議等は全くなく、授業参観を通して理解啓発され筒ある。

【課題】

今回の取り組みから、パソコンの正しいスキル習得は、これからの時代、必要不可欠であるが、授業の位置づけが難しい。年々授業時数が厳しくなる中、総合的な学習の時間の内容の再検討する必要がある。従前から本ソフトを利活用していたが、今年度初めて、学校全体の指導計画を作成したが、授業を見合うところまで至らず紙ベースの報告となったので、十分に振り返り、検討ができなかった。また、中学校に進学する際に正しいローマ字入力を習得させて進学させることを目標としていたが、科学技術の振興で入力のインターフェースがスマートフォン等のように、音声も含めて変わりつつあると、系統的な指導が必要か疑問の声も上がった。

【その他】

「良い悪い」の問題とは別に捉えて、本ソフトは完成度が高く、児童が数時間経験して慣れれば、教員の支援が無くとも十分に授業が進められ、指導効果が得られる。現実場面としては、担任の出張時の補教の学習内容として扱われている事も見られた。このことは、担任が安心して他の教員に学級を任せるほど、児童が集中していることを裏告げていると感じた。

このページのトップへ