教育研究グループ支援(研究成果報告)
表現活動研究会
代表者 渡部 朱美
学校名 都立永福学園
研究テーマ
- ダンス(身体表現)と歌で表現する戯曲「夕鶴」について~豊かな表現力を伸ばすには~
研究期間:平成23年4月1日 から 平成24年3月31日 まで
研究結果の概要
平成23年度の特別支援学校総合文化祭「舞台芸術・演劇祭」において木下順二作、戯曲「夕鶴」をパフォーマンスに脚色し舞台発表した。
1.与ひょうが惣どと運ずにそそのかされる場面、2.つうの機を織る部屋をのぞこうかどうしようか与ひょうが葛藤する場面、3.つうが懸命に機を織る場面をダンスで表現した。
また、1.与ひょうの願いを聞き入れるかどうか迷うつうの気持ち、2.つうが去って行った後の与ひょうの気持ちを歌で表現した。
ダンスはテクニック的な面は稚拙であるが、14人の生徒のフォーメーションチェンジに重点を置き、大きな布や白い仮面等の小道具を有効に使用して生徒の表現力を支援する手立てとした。そして、身体の使い方を研ぎ澄ましていくトレーニングを練習の最初に毎回プログラムし、身体能力が向上するように努めた。
舞台発表会場は王子駅前の「北とぴあ さくらホール」。客席は800席を越える規模の大ホールであるため、2階席はクローズした。舞台機構において例年行っている東京芸術劇場との違いは、少ない吊りバトン数、狭い舞台袖、上手下手袖の移動不可だった。しかし、舞台間口は10間、高さは10mは同様だったので、研究テーマには有効だった。
10mの高さを効果的に客席にアピールするにはディフュージョンをかけた照明効果が有効と考え、照明業者スタッフとの現場での打ち合わせを密に行った。また、その効果を有効にするために生徒に対しては指先まできっちりした動きと身体全体を使っためりはりある動きを追求していくように指導した。
歌については言葉をメロディにのせるのではなく、人物の気持ちをメロディにのせるように指導し、劇場の人々に感動を伝えることができた。
その他 特記事項
舞台進行、照明効果は(株)ホットライン冨沢氏、高崎氏の協力による。