教育研究グループ支援(研究成果報告)
「いのちの授業」研究会
研究テーマ
- 中学生の自尊感情を育む助産師とつくる「いのちの授業」
研究期間:平成24年10月26日 から 平成28年3月31日 まで
研究結果の概要
1. いのちの授業を行うきっかけ
保健室にはいろいろな生徒がきます。保健室の中で生徒は、家庭の問題、クラスの問題、友だちの問題にぶつかると落ち込み「どうせ俺なんて・・」「私なんか生きていても何の意味もない・・」「自分なんて生まれてこなければよかった・・」と話します。
そのたびに「そんなことないんだよ、あなたのいのちはこんなに力を持って生まれてきたんだよ」と丁寧に語りかけています。どうしたら「いのちの尊さ」を伝えることがでるかと考えました。4年前から一緒にやってくれる市内の助産師さんを探し始め、3年目から市内の助産師さんと中学校の養護教諭に声をかけて、助産師が語る「いのちの授業」研究会を発足させました。月1回の勉強会では、中学生に「生まれてきてよかった!だから、どんなことがあっても死なないで!」のメッセージを届けることにしました。発足から4年がたって、NPO法人市民活動コーディネーターと共に、今後は、どこの学校でも希望すれば「いのちの授業」ができる体制を作りました。
2. いのちの授業
助産師さんと連携して、卒業間近の3年生を対象に行います。テーマは、生まれてきてよかった。いのちって素晴らしい。目的は自尊感情を持つことができる。いのちの奇跡(受精から胎内の様子、分娩のことなど)を具体的に知ることで、自分の素晴らしい能力を知る。自分で生まれてきたこと、育ててくれる大人がいたこと、愛されていたことを伝える。思春期の性・生。いのちへの責任について考える機会とする。
3. 講演と体験
助産師の講演では、性と生について次の4つの内容について話を聞きます。
- 助産師について(自己紹介を含む)
- 「いのち」について(受精卵の大きさを見せる)
- 胎内の赤ちゃん
- どうやって生まれてきたのか
体験コーナーでは、
- 心音のコーナー、自分の心音を聴く体験、生まれてくる直前の赤ちゃんの心音をCDで聴く
- 赤ちゃん人形コーナーでは、赤ちゃん人形の抱っこの体験をする
- 妊婦ジャケットコーナーでは、妊婦ジャケットを着けて、妊婦体験をする
「私は生まれてきて良かったんだ、私は望まれて生まれてきたんだ、自分はここにいると、それは奇跡の連続なんだ、いのちってつながっているんだな、お父さん、お母さん、ありがとう」いのちの研究会の想いが伝わってくる授業になりました。今後もさらに研究をすすめていきたいと思っています。