教育研究グループ支援(研究成果報告)
千代田区立九段小学校 校内研究会
研究テーマ
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「特別の教科 道徳」の先行実施
問題解決的な学習・体験的な学習の実践と道徳授業における評価の工夫
~全教育活動を通した道徳教育の推進と授業改善~
研究期間:平成28年4月1日 から 平成29年3月31日 まで
研究結果の概要
今年度は、問題解決的な学習・体験的な学習・道徳科における評価の三つの分科会を設定して、研究を深めてきた。平成29年1月20日には、全国より700名を超える方々にご来校いただき、研究発表会を行うことができた。
研究の概要に関しては別紙により報告する。以下に研究の成果と今後の課題について報告させていただくこととする。
【研究成果】
- 授業者が指導観に基づき、授業における問題意識を明確にして提示した学習問題により、児童が更に意欲的に学習に取り組み、自分自身の考えを深めることに繋がった。
- 実物を実際に見る体験活動を取り入れたことで、教材の追体験をすることができ、ねらいに関連した内容を多面的・多角的に考えることにつながった。
- 一単位時間の中で評価できる児童の数はどうしても限られてしまう。そのため、意識的に特定の児童の学習状況に着目し記録するなど、対象の偏りを無くすよう心がけるようになった。
- 平成30年度(千代田区は平成29年度)から本格実施される「特別の教科 道徳」に向けた授業改善に真剣に取り組んだことで、これからの道徳授業の在り方についての理解を深めた。
【今後の課題】
- 課題ありきで学習展開を構想すると、教師の指導観ではなく方法論が先に成り易く、教師の意図とは異なる学習展開になることがあった。
- 体験的な学習は、教師がねらいをしっかりもち、児童に何をするために行うのかしっかり伝えないと効果がない。
- 一人一人の児童の評価の場面、蓄積方法、集約方法の検討や効率化と妥当性の向上等、まだまだ課題である。記録に集中し過ぎて児童の顔を見て話しを聞けないこともあった。目的を取り違え、評価のための授業にならないよう留意する重要性を実感できた。
- 今後は、「特別の教科 道徳」の完全実施に向けて、道徳教育の全体計画・別葉を見直し、重点内容項目と全教育活動における道徳教育との関連を更に明確にしていく。
- 授業改善や評価の工夫に取り組む際は、つい多様な指導方法を取り入れることや評価ありきになりがちである。今後も実践を継続的に積み重ねていくことで、自分の指導観を適切に反映した学習展開を選択したり、評価についての実践を重ねたりする中で考えを深める必要がある。