公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

都地研GIS研究協議会

研究テーマ

研究期間:平成29年7月1日 から 平成30年3月31日 まで

研究結果の概要

平成34年度から本格運用される次期高等学校学習指導要領に必修科目として新設される地理歴史科科目「地理総合」2単位について、科目内容の検討を早い時期から始め、地理を専門としない教員でも可能となる授業展開を開発するための実践研究を行っている。今回研究対象としたのは、新たに「地理総合」の学習内容として加わるGIS(地理情報システム)である。近年、地図の分野は急速にデジタル化が進み、従来の紙ベースによる道路地図や地形図は、Googleマップや国土地理院地図などのデジタル地図に置き換えられている状況がある。GISは位置データが付属する情報(地理情報)を集めて地図化し、分析するしくみで、有料、無料を含めて様々なGISソフトウェアで提供されている。また、ソフトウェアを導入しなくても手軽に地図化や分析ができるWebGISの開発も非常の充実してきている。
 一方、高等学校における教室のICT環境整備をみると、都道府県によってかなりの開きがあるが、基本的にはGISを授業で扱えるほどの環境が整っているところは少ないと思われる。東京都の場合は、いわゆるパソコン教室、LL教室(都立学校ではコール教室と呼ぶ)のほかに、タブレットPCが2クラス分(80数台)配備されてはいるが、ネットワーク環境が貧弱であり、クラス全員がPCを操作すると、いろいろな障害が発生しトラブルが多い。さらにGISのソフトを導入するには、事前申請をして一台ずつ担当者がインストールする必要があるなど、GISで授業をするまでのハードルはかなり高いと考えられる。
 不十分なICT環境の中で、どのようにGIS教育を普及させるのか。生徒一人ひとりにPCを操作させるのは環境的に厳しいので、教員がプロジェクタで主題図を提示し操作を見せる工夫や、紙地図に印刷してGISを考えさせる工夫、インターネットに繋いで班ごとに学習を進める方法など、学習内容のみならずICT環境の整備と操作に関するリテラシーなどが重要となってくることが今回の実践研究で明らかになった。
 研究内容の詳細は別紙に記した通りであるが、期間中に3回の研究協議会を開き、参加延べ人数は56名に達した。参加者は熱心に研修に参加し、GIS教育の実践研究について発表し議論を重ねているので、今後もこの活動を継続し成果をまとめたい。

その他 特記事項

今後、研究内容を地理学会等での発表し、内容のまとめと報告を考えている。

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