部門
看護部Nurse
看護師クローズアップ
患者さまの意思を尊重した介入を

病棟主任
緩和ケア認定看護師
緩和ケアチームに所属し、他職種スタッフやリンクナースと共に「緩和ケアを必要とする患者さまの療養について」意見交換や勉強会を行い、より良い療養について検討しています。
対応困難な事例については、直接患者訪問をして病棟スタッフと情報共有をし、一緒に考えられるようにしています。
看護学校卒業とともに入職し一般病棟で勤務していました。

看護師として病棟で勤務していると、人生最期の時期を患者さまやご家族と共にすることが多くあります。多種・多様な患者さまが入院されている中で、がん患者さまと関わる機会も多くあり、終末期にある患者さまのケアに興味をもつようになりました。身体的苦痛にはすぐに気付き、速やかに対応する事ができていましたが、それ以外の「精神的・社会的な側面」については、患者さま本人やご家族の訴えがないと気がつきにくいことが多く、どのような関わり方やサポートをしたら良いのかと模索しながら対応していました。
スタッフを指導していく中でも、自分の経験と知識だけでは限界があると感じるようになりました。そこで、これまでの学習と経験を振り返りながら、緩和ケアの基本となる知識・技術を学び、よりよい看護を提供できるようにしたいと思い、緩和ケア認定看護師教育課程に進学を目指しました。
2016年より院内に緩和ケアチームが発足し、より興味を持つようになりました。
チームに参加したいという思いを医師や看護部長に相談していく中で、受験したいという思いが強くなり、看護部長に許可をいただきました。
国立がん研究センター東病院 緩和ケア認定教育課程を受験し合格後、2017年7月~2018年3月まで通学しました。2018年5月 日本看護協会 緩和ケア認定看護師審査を受験、7月に合否発表され緩和ケア認定看護師となりました。
学費の一部を補助して頂き、通学中は休職扱いにしていただきました。期間中、金曜・土曜日のみ通学という時期が5か月あったので、その際は夜勤業務について収入を得ることができました。

国立がん研究センター東病院 緩和ケア認定教育課程
がん拠点病院だけでなく訪問看護の職に就いている研修生もいたため、意見交換を通し考え方や視野が広がり刺激的でした。看護学校以来の集中して勉強する機会だったので、覚えるのに苦労しました。
緩和ケアの基本となる、「患者さまを全人的苦痛で捉え」、広い視野で判断して関わることができるようになりました。また、学んだ知識をスタッフに少しずつですが伝えることができるようになりました。

認定看護師になり、特に勤務条件や待遇に変化はありません。
ACP(アドバンスケアプラン)が行えず、高齢患者が多いため、認知機能の低下等で患者様本人が意思決定できずに、ご家族の希望が優先され代理意思決定ではないことが多くあります。身体症状ばかりに目を向けるのではなく、QOLを意識した介入が課題であり、意識して実践していく必要があると感じています。これからは、院内だけでなく地域とも連携し、患者さまの意思を尊重した介入ができるようにしていきたいです。
病院で勤務する限り、死と向き合う機会は避けられません。患者さまの最期を「その人らしく」過ごしていただけるような看護を目指していきませんか。


病棟主任
緩和ケア認定看護師