公益社団法人 東京都教職員互助会

文字サイズ変更
トップページ > 教育振興事業 > 平成24年度 助成グループ 研究テーマ > 自ら研究会

教育研究グループ支援(研究成果報告)

自ら研究会

代表者 中村雅子
学校名 豊島区立南池袋小学校

研究テーマ

研究期間:平成24年4月1日 から 平成25年3月31日まで

研究結果の概要

学校教育における規範意識育成の研究を始めるに当たって、学校規範(学校生活のきまり)に関する教職員、児童・生徒、保護者の意識調査が必要と考え、今年度は、教職員を対象にアンケート調査を行った。

調査は、質問紙法により、都内公立小・中学校の教職員を対象に、平成24年10月~11月に実施し、572名の教職員から回答を得て、集計・分析した。

調査の結果、以下のことが明らかになった。

  1. 児童・生徒、保護者、教員、それぞれの規範意識が高いと意識している教員の割合は、教員が最も高く(約80%)、保護者(50%弱)、児童・生徒(約40%)の順であった。
    中学校の教員では、保護者、児童・生徒の規範意識を高いとする割合が、小学校に比べてやや高く、若手教員(20代、30代)にその傾向が顕著であった。
  2. 学校生活のきまりとして挙げた22項目中、“学校全体のきまりとして明文化されている”の選択数が一番多いものが10項目で、登・下校の時刻のきまりは小・中学校ともに100%に近かったが、他の項目は校種による差が大きかった。
    小学校では、通学路、交通ルールに関するきまり、廊下の歩行や遊びに関するきまりで明文化が多く、中学校では頭髪、服装、所持品に関するきまりで多かった。
  3. 勤務校のきまりの実態に対する教職員の考え方では、“学校として明文化する”の選択数が、小学校18項目、中学校15項目で一番多くなっており、小学校では、“児童の自主性に任せている”が一番多かった頭髪、服装も明文化の選択数が増え、頭髪では明文化が一番多くなっていた。
  4. 学校生活のきまりの指導に関しては12項目の取り組みについて、複数回答(勤務校で実施しているものを全て選択)を求めた結果、小・中学校ともに多かった(70~90%)項目は、児童・生徒、保護者へのきまりの説明、印刷物の配布、教員の共通理解のための協議、児童・生徒へのきまりの意義・目的、遵守の必要性・重要性の指導であった。校種の差が大きかったのは、生活目標にきまりを取り上げての指導は小学校に多く、きまりの実施状況の点検が中学校に多かった。
  5. 学校規範の指導上の課題について、12項目の複数選択を求めた結果、小・中学校とも最も多かったのは、何回注意してもきまりを守らない児童・生徒の指導であった。次いで、きまりを守らせる指導に比べ規範意識を育てる取り組みが弱い、教職員の共通理解が得られない、児童・生徒が自律的にきまりを守ろうとしない、保護者の理解・協力が不十分、であった。
【その他】

調査結果を基に小・中学校におけるきまりの実態や指導の違いにかかわる要因について考察を深め、規範意識育成上の課題解決を目指して研究を継続していく。

このページのトップへ