公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

西東京市立田無第三中学校

研究テーマ

研究期間:平成25年4月1日から令和5年3月31日まで

研究結果の概要

全教科において主体的・対話的深い学びの実践が行われている。その中で、各教科で思考を深め広げ、合意形成に向かっていくような有効な話合いが行える生徒を育成することが強く求められている。本部会では、長年そのための国語科音声言語授業を構築し、キャラクター「もやしちゃん」を創造し、「話合いプログラム~基礎編・発展編・統合編~」を作成した。しかし、「本当? なぜ? いつもそう?」と問う活動が表面的な状態にとどまりやすく、意見の吟味、すなわち論理的思考力を十分に働かせた状態にまで深化させられなかった点に不足が認められていた。時期を同じくして、29年度版学習指導要領(国語)では、伝えたい内容や考えを正確に理解したり、適切に表現したりするため、「知識及び技能」において「情報の扱い方に関する事項」が新設されていた。くしくも、上記の問題意識が、本部会における実践的な検討にとどまらず、国語科全体に関わる課題であり、「社会で生きる力を育む」ために必須の要件であることが確認された。そこで、国語科で重視されている「論理的思考力の育成」を「話合い学習」の指導法の中で実現させるための手立てを、本プログラムに組み合わせる形で研究することにした。

研究内容

本研究においては、29年度版学習指導要領(国語)「情報の扱い方に関する事項」を踏まえて、実際的な学びを構想した。様々な判断や表現の核となる「意見」と、それが正しいことを示すために使われる「根拠」の関係及びそれぞれの特徴について理解を深めさせることで、「意見」に対してより確かな「根拠」を見出したり、示したりできる力の向上を図る。その上で、トゥールミンモデルを援用し、同一の根拠から異なる意見が導かれる事態にも触れつつ、ある根拠から、なぜその意見が正しいといえるのかを示す見解や一般論としての「理由づけ」という概念を、生徒が理解し、適切に活用できるよう重点的に指導する。そうすることによって、他者の意見と根拠のつながりを評価したり、自分の考えをより論理的に相手に説明したりする力の向上を図り、社会の中で安易に他者と迎合することなく、責任をもって物事を判断したり、自分の考えを表現したりすることができる生徒を育成したいと考えている。

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