ふれあい感謝状21受賞者 活動報告
世田谷区立九品仏小学校 校長 東 みどり
世田谷区は、地域とともに子どもを育てる教育を推進し、すべての区立小中学校が地域運営学校（コミュニティスクール）に指定されています。本校は、地域の教育力を生かし、体験講座と補習教室を夏休みに実施しています。これらの企画・運営を担っているのが、卒業生の保護者が中心となった九品仏小学校夏の応援隊です。
28年度に開催した12の体験講座のうちいくつかを紹介します。講座の講師は地域の方、近隣の学校、同窓生、保護者の方々です。
まず、「ミュージカル＆ダンス」は、卒業生の俳優の川平慈英さんの講座です。川平さんは子どもたちと相談しながら、半日でノリノリのダンスを仕上げます。地域の老舗豆腐店の店主は、小学生でもできる「簡単なお豆腐づくり」を毎年開催しています。また、海外生活経験のある保護者による「英語であそぼう」も人気です。
「茶道教室」は本格的なお茶を体験でき、リピーターも多いです。さらに、近隣の中学校の校長は「理科教室」を、生徒は「ヒップホップダンス」を担当しています。
2～6年生を対象とした算数の補習教室も夏の応援隊が運営しています。補習教室では自分の進度に応じて、プリント学習に取り組みます。できたプリントはすぐにボランティアが丸付けをしてくれます。ボランティアは中学生、大学生、地域の方で、夏の応援隊が声をかけ集めています。中でも中学生がかく花まるは子どもたちの大きな励みとなっています。
夏休みの体験講座・補習教室は、申込み制ですが多くの子どもが参加しています。夏の応援隊は、「夏は先生ではない人が先生です」をモットーに、子どもたちに地域の多彩な人を出会わせ、可能性を伸ばしてくれます。夏の取り組みは、保護者・地域にも評価をいただき、児童数が5年間で27％増加しました。
