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教育研究グループ支援(研究成果報告) 詳細

梅一言語力委員会 第1学年 国語科学習指導案

平成24年12月4日(火)
第1学年1組 男子13名 女子14名
授業者 田村秀子

研究主題
低学年分科会テーマ

1.単元名

声に出して楽しもう ~たのしい俳句~

2.単元設定の理由

一年生にとって俳句は初めて取り組む学習である。スムースに学習に入るためには、まずできるだけ多くの名句を覚え俳句に親しむことから始めたい。そのため初めは、リズムを生かした言葉遊びを楽しくやり、それから季節を表す言葉集めなどをしながら、俳句の性質に慣れていくようにする。五・七・五の型にはめて自分の思いを表現することで、一つの言葉についてじっくり考え、言葉を選ぶ経験をさせることができるのではないかと考える。そして俳句を作ることにより言葉を増やし、ものの見方が豊かになっていくことを期待している。

3.単元の目標

【1】単元の目標
【2】評価規準
ア.国語への関心・
意欲・態度
昔の言葉に触れ、五音や七音の調子を楽しみながら、読んだり味わったり、作ったりする。
イ.話す・聞く能力 書いたものを読み合い、よいところを見つけて感想を伝え合う。
ウ.書く能力 自分の生活の中で経験したことや発見したことを、五・七・五にする。
エ.読む能力 俳句の言葉のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読している。
オ.言語についての
知識・理解・技能
言葉には、意味やリズムのあることに気づき、いろいろな言葉遊びやリズム遊びをする。

4.学習指導要領との対応

【A】話すこと・聞くこと
指導事項

(1)ウ、姿勢や口形、声の大きさや速さなどに注意して、はっきりした発音で話すこと。
(1)オ、互いの話を集中して聞き、話題に沿って話し合うこと。

【B】書くこと
指導事項

(1)オ、書いたものを読み合い、よいところを見つけて感想を伝え合うこと

【C】読むこと
指導事項

(1)ア、語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること。

伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項

イ(ア)言葉には、事物の内容を表す働きや、経験したことを伝える働きがあることに気付くこと。

5.児童の実態

一年生はひらがな、カタカナ、漢字などの文字の習得もだいぶ増えてきた。宿題での音読も積極的に取り組んでいる。しかし一文字ずつのたどり読みだったり、内容が分からないまま読んだりする児童もいる。本の読み聞かせは大好きで、喜んで静かに聞いている。しかし自分一人で読むのは苦手でクイズや絵本を友達と一緒に読む児童が多い。朝のスピーチでは、いつも同じような内容でなかなか話題が広がらない。また友達同士の交流の経験も乏しい。

できるかぎり多くの俳句を声に出して繰り返して読んだり、実際に俳句を作ってみたりする活動を通して言語感覚をみがいていきたいと思う。俳句を作るための個々の支援を机間指導で行ったり、交流の場の支援を効果的に行ったりできるようにして、俳句が作れたという達成感とともに先生や友達に聞いてもらえたという喜びを味わわせたい。

6.指導計画(時間)

主な学習内容 ●指導上の留意点 ◆評価
1 俳句について知る。
・俳句「やせがえる まけるな一茶 これにあり」の俳句をノートに書く。
・俳句を音読する。
・俳句から受けるイメージを話し合う。
・一人ずつ音読する。
・暗誦する。
●丁寧にお手本どおりに視写させる。
●五・七・五を分かりやすくするため三行に分けて書く。

◆楽しく俳句を詠むことができる。
2 ポケモンを使って五・七・五を書く練習をする。
・ポケモン五・七・五を作る。
・三行書きの練習をする。
・オニスズメ しんかをしたら オニドリル
・○○○○○しんかをしたら○○○○○
●音の数え方を確認する。
●「しんかをしたら」の両脇にポケモンの名前を書いたら、それぞれの行の文字数を声に出して数える。(ワークシート)
●○字に一字ずつ言葉を当てはめて作ることが視覚的にわかるように板書する。

◆条件に合った言葉選びをしてポケモン五七五を作ることができる。
3 季語について知る。
・季節を表す言葉について理解する。
・子どもの作品から季語を見つけ、季節を表すことばの例を知る。
・季語を当てるクイズに挑戦する。
・あなうめ俳句を作る。
なつやすみ ○○○○○○○いいきぶん
なつやすみ かぞくみんなで○○○○○
●俳句は、季語を一つだけ入れて五・七・五の音数で作ることを伝える。
●身の回りの言葉に関心をもち、季語を集める。
●たくさんの季語を集め、語彙を増やす。

◆俳句は季語を入れて作ることがわかり「なつやすみ」を季語にしてあなうめ俳句をつくることができる。
4
5
夏休みについて俳句を作ろう。
運動会について俳句を作ろう。
どんぐりひろいの俳句を作ろう。
●自分の生活の中で経験したことを、五・七・五で作る。
●したことや見つけたことを、五・七・五の定型に当てはめて表現することを押さえる。

◆したことや見つけたことを五・七・五に表すことができる。
6

やきいも大会について俳句を作ろう。 ●やきいも大会で経験したことを、五・七・五で作る。

◆じっくり考えて言葉を選んで俳句を作ることができる。
7 気に入った俳句を発表しよう。 ◆友達の発表を関心をもって聞くことができる。

7.本時の指導と展開(6/7時間)

【1】めあて

やきいも大会で体験したことを思い出して、俳句をつくることができる。

【2】展開
段階 学習活動 ●指導上の留意点 ◆評価
導入 1.俳句の暗誦をする。 ●大きく口を開けて読む。
導入 2.俳句について知っていることを発表する。
(1)五・七・五でつくる。
(2)季語を入れる。
●俳句のきまりを確認する。
展開 課題 やきいも大会で体験したことを思い出して俳句を作ってみよう。
3.やきいも大会について体験したことを発表する。 ●「いもほり」や「やきいも」大会の写真を掲示する。
●五感を大切にして短く発表させる。その話の中の言葉から五・七・五の音数に当てはめて表現できるようにさせる。
●言葉を選んで俳句を作る。
4.俳句を作る。 ●俳句が作れない児童には使うとよい言葉を指定したり、定型になるように、少し言葉を変えて与えたりする。

◆体験したことを思い出して俳句をつくることができたか。
5.「はいくひろば」で発表して読み合い、工夫した言葉を伝え合う。 ●俳句ができた児童から互いに紹介しあい、工夫した言葉を伝え合う。
まとめ 6.全体の場で発表する。 ●五・七・五のリズムに気を付けて読む。
●友達の俳句が五・七・五になっているか、季語が入っているかについて気を付けて聞く。

7.次時の予告

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