公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

東京都学校保健研究会調査研究部

研究テーマ

研究期間:平成29年4月 から 平成31年3月 まで

研究結果の概要

1 基礎研究(参考資料の収集)
  1. 先行研究の分析
  2. 平成27・28年度調査研究部研究報告の分析
2 調査研究(養護教諭の関わる発達障害・特別支援教育に関わるアンケートの実施)
  1. 平成29年度養護教諭を対象に実施
  2. 平成30年度教諭を対象に実施
3 実践研究(特別支援教育における養護教諭の専門性を発揮するための課題解決支援ツール)
  1. 知識や技能の「何が必要か」を明確化し自己評価できる「養護教諭のための特別支援教育チェックシート
  2. 課題解決を図りながら日々の実践に生かせる「事例編」
  3. 推薦図書や研修案内などを紹介した「資料編」

以上の調査や実践を2年間にわたり研究した結果、明らかになったことは以下である。

1 基礎研究の結果
  1. 特別支援教育コーディネーターには、特別支援教育に関する知識や支援方法の理解が必要であり、養護教諭の専門性が求められ、任命されることが増えている。
  2. 養護教諭は発達障害をもつ児童・生徒に関わる機会が多く、個別支援を行いやすい立場にあり、一人一人の実態を把握しやすい。
  3. 養護教諭の多くが、現在行っている支援方法や校内の連携に課題を感じている。
2 調査研究の結果
  1. 養護教諭の困っていることは、各校種で共通して「児童・生徒の問題行動の対応について」であった。
  2. 知りたいことや悩んでいることは、各校種で共通して「児童・生徒支援(校内での支援や配慮)」「教職員の知識・理解」であった。
  3. 多くの養護教諭が取り組んでいる効果的な支援や、使用しているグッズ。
  4. 養護教諭が特別支援教育コーディネーターをしているかどうかに関わらず、教諭が「特別支援教育に関して主に相談する人」に養護教諭をあげた人数が多かった。つまり、教諭は特別支援教育において養護教諭の専門性に期待していることが推察される。
  5. 養護教諭と教諭の双方から比較分析することで、特別支援教育において、教諭が養護教諭に求める資質・能力が明らかになった。
3 実践研究の結果

上記(1)~(3)から構成された、特別支援教育における養護教諭の専門性を発揮するための課題解決支援ツール「サポートブック」の製作は、2年間の研究のまとめとなる成果物である。
私たち養護教諭は、教諭とは違った視点や角度から子供たちの心と体の状態を捉えることができ、学校全体を広い視野でとらえ臨機応変に動くことができる。こういった養護教諭が本来もっている特性を生かしながら、本研究で作成したサポートブックを活用することが、特別支援教育推進のためになることを期待する。

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