教育研究グループ支援(研究成果報告)
足立区立千寿第八小学校 研究推進委員会
研究テーマ
- 思考力・判断力・表現力等を高める言語活動~算数科を通して~
研究期間:平成31年4月8日 から 令和2年3月25日まで
研究結果の概要
1 研究方法
研究授業(年間6回、各学年)を通して、算数科の教材研究を深め、指導法を追究する。各回、外部講師を招聘し、研究授業の事前・事後にも専門性の高い指導を受けることで授業改善を行う。
2 研究内容
① 第1学年「どちらがひろい」身の周りのものの広さの比較
- 具体物を使った操作活動による量感の感得、体験の有用性。
- 「どちらが~」「どれだけ~」の課題設定の違いの明確化による活動の違い。
② 第2学年「かくれている数は何かな?」筆算の数当て問題
- 筆算の虫食い算を通して、何を身に付けさせたいかのねらいの明確化の必要性。
- 「分かる」とは、①関連付ける②根拠の説明ができる③活用して発展できること。
③ 第3学年「はしたの大きさの表し方を考えよう」小数の意味の表し方
- 数を多様な方法で表すことによる数感覚の育成。
- 言語的表現から記号的表現へ言い換えることの意義と重要性。
④ 第4学年「わり算の筆算を考えよう」倍の求め方
- 課題を日常事象とタイアップさせること、児童のことばでまとめることの有効性。
- 第4学年から割合の素地の指導を行うことの必要性。
⑤ 第5学年「小数のわり算を考えよう」商と被除数の大小関係
- 帰納的に考える展開と演繹的に考える展開のそれぞれのメリット。
- 第3学年からのテープ図や数直線についての段階的指導の重要性。
⑥ 第6学年「パスカルの三角形の秘密をさぐろう」パスカルの三角形のきまり
- タブレットの有効活用による情報の共有化と検討の効率化。
- きまりの一般化の必要性。・習熟度別学習の有効性。
- 問題作り学習(原題を解く、一部を変えた問題を作る、作った問題の発表と分類、作った問題の解決)の一展開による発展的学習の在り方。
3 研究の成果と課題
① 既習事項を活用した児童のことば・数直線・図や式等の多様な表現、互いに説明を行うことによる思考力・判断力・表現力の高まりの顕在化。特に、図や数直線等による対話的な学びの有用性。
② 考え表現する手立てについて、発達段階を見通したスパイラルな指導計画作成の必要性。