公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

八王子市立由木中学校

研究テーマ

研究期間:平成31年4月1日 から 令和3年3月31日まで

研究結果の概要

平成31年度・令和2年度八王子市教育委員会研究指定校として、不登校及び魅力ある学校づくりについて研究を行ってきた。東京学芸大学の松尾直博教授に全面的に御指導、御示唆をいただきながら取り組んだ。新型コロナウイルス感染防止のため他校の教員等には公開できなかったが、令和3年2月8日に研究発表会を行った。
研究仮説を「フラーリッシュに含まれる要素(楽しさ、熱中、絆、意義、達成、強み)を高める取組を実践することで魅力ある学校づくりが推進され、不登校も減少するであろう」とした。フラーリッシュとはポジティブ心理学の言葉で、一時の幸せではなく、満ち足りた幸せな状態が末長く続くようなイメージで使われ、最適な自己を実現している状態といった意味合いを含んでいる。
各自(管理職、特別支援教育担当、養護教諭を含む)が各学級、生徒の状況を分析し、フラーリッシュ要素を意識した教育実践に取り組んだ。実践事例は142にのぼり、事例集『百花繚乱』にまとめた。検証の指標としては、毎月の不登校生徒数、3回の生徒アンケート、2回のHyperQUを用いた。
不登校は、多くの学校で課題になっている。今回の研究は、不登校の危険因子を減らすことではなく、保護因子を厚くすることで不登校を新たに生じさせないという試みであった。松尾教授から御紹介いただいた「フラーリッシュ」の観点「楽しさ」「熱中」「絆」「意義」「達成」「強み」を感じられる教育活動を考え、教科の授業だけでなく特別活動や帰りの会など全教育活動で実践に取り組んでみた。
研究を通した不登校対策については、すぐに効果が表れるような研究、取組でもない。不登校への効果までは届かなかったかもしれないが、その前段階の「魅力ある学校」に向けて前進したのは間違いない。検証のしようがないが、「フラーリッシュ」の取組によって不登校にならずにすんでいる生徒が数名はいるように思う。
教職員が「楽しさ」を感じながら「熱中」して取り組める校内研究でありたいと思う。ささやかながらも「達成」が感じられるものでありたいと思う。校内研究の取組を通して教職員の「絆」がかたいものになる。校内研究の「意義」と自分の「強み」を感じた本校の教職員が、どこかで校内研究の担い手になり、よりよい学校づくりに貢献してくれると信じている。校内研究には、指導力、教師力を高め、学校を変えていく力がある。
本研究は一区切りするが、今後も魅力ある学校、フラーリッシュの感じられる学校づくりを推進していく。

その他特記事項

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