公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

東京都中学校国語教育研究会 第一研究部会

研究テーマ

研究期間:平成25年4月1日 から 令和3年3月31日まで

研究結果の概要

学習指導要領の全面実施が来年度に迫る中、全教科において主体的・対話的深い学びの実践が各学区で行われている。そのなかで、言語の中核として、すべての言語活動に役立つ国語力の育成は、国語科として大きな課題である。その中でも、各教科で頻繁に行われる話合いについて、思考を深め広げ、合意形成に向かっていくような有効な話合いが行える生徒を育成することが強く求められている。本部会では、長年そのための国語科音声言語授業を構築し、話合いプログラムとして基礎編・発展編を発表してきたが、今期はそれらを統合し、より容易で有効なプログラム統合版を作成した。また、国語科の枠を超えて、総合や特活の中でもスポット的にすべての教員が指導できることも視野に入れ、プログラム開発を行った。

指導上の工夫

(1) どの生徒もこの学習プランを学ぶことによって、話合いの技術を、一定の基準に揃えることができるようにした。同様に、教授者の経験を問わず、この学習プランを学習させることによって、主体的・対話的で深い学び導入時の話し合う力を育成できるようにした。

(2) 話合いの過程を、4段階で捉え、それぞれの段階で必要なスキルを抽出・精選した。さらに、精選したスキルをネーミングし、定着しやすいようにした。(「もやしちゃんとほないこう」:意見の背景にあるものを引き出す「ほ・な・い」と、収束でありながらも、新たな提案を導き出し議論を発展させる視点を加えた、「こう」)

(3) 生徒に臨場感と意欲をもたせるテーマ設定(フィクションではない)を行った。

(4) 単位時間の前半で、抽出した技術について学び、後半の言語活動で学んだ技術を実際に活用させることで、各自が学びを実感し、次時への意欲を育てる授業を構築した。

(5) 学習プリントを工夫し、個の思考から集団の話合いを経て自分の考えの再構築へと至る学習の流れを繰り返し、振り返りの視点を明確化(スキルに関することと、考えの広がりに関すること)することにより、身に付けるべき力が確実に身に付いたかを自ら振り返り、自覚できる学習過程を組んだ。

(6) 行動変容につながる、最終合意への試行錯誤の過程を、意図的に「もうひと工夫」として組み入れ、より納得感を高めた合意形成へ導いた。

その他特記事項

授業に使用したプリントおよび、パワーポイントは、東京都中学校国語教育研究会HPよりダウンロードできます。

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