教育研究グループ支援(研究成果報告)
都立豊多摩高等学校
研究テーマ
- 都立高等学校におけるボランティア部等の活動について
研究期間:令和2年4月1日 から 令和3年3月31日まで
研究結果の概要
東京都奉仕・ボランティア教育研究会は、東京都の学校設定教科・科目である「奉仕」の指導者養成のため、平成21年度に「東京都奉仕研究会」として設立し、平成27年度に「東京都奉仕・ボランティア教育研究会」と名称変更し、学校教育におけるボランティア体験学習の内容・方法について実践研究を進めてきた。
本研究会は、児童・生徒が様々な課題を受け止め、社会のあるべき姿を想定して他者とともに主体的に課題を解決するようになるためには、ボランティア体験学習が有効であると考えている。このことは、新学習指導要領が、児童・生徒が社会や世界に向き合い関わり合い、自分の人生を切り拓いていくために、主体的・対話的で深い学びを重視していることと、軸を一にすると捉えている。
これまで本研究会は、児童・生徒のボランティア体験学習及び体験を契機とする探究学習を推進するため、月例会において研究を進めるとともに、「認定NPO法人さわやか青少年センター」とともに「スクールボランティアサミット」を企画・開催してきた。「スクールボランティアサミット」では、東京を中心に全国の優れたボランティア体験学習の実践例を収集・分析し、広く紹介してきた。
しかし、令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、月例会の開催を縮小するとともに、「スクールボランティアサミット」の開催を見送った。
一方、令和4年度に「第46回全国高等学校総合文化祭東京大会」が開催され、協賛部門としてボランティア部門が設置されることを念頭に置くと、本都において、ボランティア体験学習を研究・推進する本研究会として、高校生のボランティア活動の現状把握に取り組むことが重要と考えた。そこで、令和2年度の研究として、ボランティア活動に関する部活動等を行っている都立高等学校43校を対象にアンケート調査を実施した。17校から回答のあった調査結果からは、主たる活動は清掃を含めた地域活動であるが、近年、小・中学生を対象にした活動が増えてきていること、また、指導者は、ボランティア活動により生徒のコミュニケーション能力が向上していると感じていることなどが把握できた。さらには、4校の都立高校生の意見を集約することもできた。これらのことについて、別紙により報告する。
その他特記事項
令和3年度においても「スクールボランティアサミット」の開催は難しいと考えている。そこで、令和2年度の調査等を基に、高校生等のボランティア体験学習の実態や意義などについて、今後も研究を進めていく。