教育研究グループ支援(研究成果報告)
東京都立小平特別支援学校 武蔵分教室
研究テーマ
- 入院している児童・生徒のためのオンライン授業の充実
研究期間:令和3年4月1日から令和4年3月31日まで
研究結果の概要
病院訪問部の概要と研究の目的
東京都立小平特別支援学校武蔵分教室病院訪問部では、北多摩地区の病院に入院する小学生から高校生までの児童・生徒を対象に授業を行っている。コロナ禍の令和2年度以降は各病院での面会制限が厳しくなり、オンラインでの授業が圧倒的に多くなった。
このような中、児童・生徒が病院にいながら参加できる新しい形の「校外行事」について研究を進めることとした。
研究の成果
オンライン校外学習(7月)
タブレット端末とWeb会議システムを用いてオンラインでの校外学習を行った。前年度のオンライン買い物学習では、案内役の教員がタブレット端末から2メートル程離れてしまうと音声を拾いにくくなっていたという反省があったため、Bluetoothイヤホンマイクを用いての配信を行った。その結果、案内役の声が病院にいる生徒にはっきり届けられるようになった。
しかし、場所によってはネットワーク環境が弱く画像が荒くなってしまったり、手ブレにより映像が見づらくなってしまう場面があり課題が残った。
オンライン修学旅行(11月)
5G(第5世代移動通信システム)対応の端末とジンバルを用いることで、画像の質の向上を図った結果、病院にいる生徒から博物館の展示物がよく見えるようになった。また病室には見学先と関連する電車のパネルを置かせてもらい、生徒の外出気分を盛り上げるようにした。生徒は前のめりで画面に映る館内の様子をよく見ながら積極的に「もっとそこを見せてほしい」といったリクエストを伝え、主体的な学びにつながる構成とすることができ、オンラインでの「旅行」を楽しむことができた。
まとめ
オンライン校外行事では、1.よく見える環境づくり(ネットワーク環境、撮影方法の工夫)、2.よく聞こえる環境づくり(マイクの工夫)、3.双方のやりとりができる環境づくり、4.生徒がいる場所の環境づくり、の4点に配慮することで、生徒が主体的に参加しやすくなることがわかった。