公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

都立品川特別支援学校

研究テーマ

研究期間:平成30年4月1日から令和4年3月31日まで

研究結果の概要

本校は小学部・中学部を設置している知的障害特別支援学校である。第4次東京都教育ビジョンでは、「障害のある児童・生徒の能力を最大限に伸ばし、自立と社会参加・貢献を実現するための教育を充実する」ことを施策展開の一つに掲げている。本校が今日まで培ってきたアセスメントに基づく個々の障害特性や発達段階に応じたきめ細かい指導を、自立と社会参加という長期的な視点での指導につなげていくには、高等部まで見据えた系統的な指導は欠かせない。更に小学部では今年度より、中学部では来年度より完全実施となる新学習指導要領においても系統的・段階的な指導が求められている。そこで本校では、児童・生徒が自立と社会参加に必要な行動を段階的に示す「スモールステップ表」を作成し、小学部・中学部において系統性ある指導の在り方を検討することにした。育成すべき資質・能力【排せつ】【話す・聞く】【投げる・捕る】のスモールステップ表を生かした授業サイクルづくりに力点をおいた。研究グループの構成を工夫し、教科等横断的な視点(カリキュラム・マネジメント)を取り入れながらPDCAサイクルによる授業づくりの展開を統一した。

令和3年度の研究では、新学習指導要領に基づく、授業実践とその中で、児童・生徒のキャリア発達に視点をあて、授業改善に取り組んだ。方法は、全ての教員が学習指導案を作成し、授業を実践し、VTRとして記録し、協議会で他の教員と共有し、改善を検討した。学習指導要領に基づく授業づくりを大切にしたことにより、学習目標・内容の段階を適切に設定することができたり、教員のこれまでの授業実践が学習指導要領に合致しているという価値付けが図られたりした。このことにより、学習指導要領をこれまで以上に生かして授業を考えたりカリキュラムを編成したりしようとする教員の意識の向上につながった。また、授業の評価や改善に児童・生徒のキャリア発達の視点を意識にしたことにより、児童・生徒らしさ、得意なことを生かすためにはどのような学習活動や指導・支援が必要かといったことが協議内容として充実した。こうした研究活動を繰り返すことにより、有効であった学習活動や児童・生徒に対する支援、環境等の手だてを他の教科でも生かす取り組みが増えた。教科等横断的な取り組みの一歩を踏み出すことができた。

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