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東京都教職員総合健康センター

最近食べたものでおいしかったものは何ですか?~マインドフルイーティングのすすめ~

突然ですが、最近食べたものでおいしかったものは何ですか?

毎日さまざまな食べ物を口にしていることと思いますが、改めてこのように尋ねられて、咄嗟に答えられる人は少ないのではないかなと思います。

答えられなかった場合、もしかすると、普段食事の時にほかのことに気を取られ、食事をしっかりと味わえていないのかもしれません。

例えば家族や友人など誰かと食事をする際、食事だけではなく会話を楽しむこともありますし、周囲の人の様子を気にかけていることもあると思います。一人で食事をする際にも、テレビや動画をつけて流し見していたり、明日のことやその日一日のことを振り返り、考え事をしたりしているのではないでしょうか。給食の時間は児童生徒の給食指導をしつつ自分は早食いで済ませるという先生方がほとんどなのではないかと思います。

今これを読んでくださっている皆さまは、いかがでしょうか。

このように、食事の際もほかのことをしながらだったり、考えながらだったりすると、食べているものに意識が向かず、その場では「おいしい」と感じていても、実はそこまでしっかりと味わえていない…ということにつながります。

このような食事をしている方に「マインドフルイーティング」をお勧めしたいと思います。「マインドフルイーティング」とは、マインドフルネスの技法のひとつで、一旦ほかのすべてのことを置いておいて、目の前の食事に集中して食べてみるという方法です。そうすることにより、ストレスを低減させる効果があるとされています。

マインドフルネスでは、先々に対する心配や起こってしまったことの後悔から距離を取り、今ここにいる自分に関して気づきを得ることが、ストレスを和らげる力になると言われています。それを、食を通じて行おうとするのがマインドフルイーティングです。

具体的な方法は、五感を使って味わうことです。

  1. 視覚…食べ物を見て、どんな色かな?どんな形かな?など、隅々まで観察します。
  2. 聴覚…食べ物を振ったり、叩いたりして音を聞きます。どんな音がするかな?耳を澄ませます。
  3. 嗅覚…匂いをかぎ、どんな香りかな?どんな味がしそうかな?と堪能します。
  4. 触覚…手で触り、どんな味がしそうかな?と考えたり、舌の感覚から、どんな食感がするかな?と考えたり、じっくりと体験します。
  5. 味覚…いよいよ一口目を噛みしめ、舌のどの部分でどんな味を感じているかな?

などなど、とにかく「食べる」ということにドップリと浸かります。

この時、この目の前の食べ物が、どのような人の手を渡って、どんな過程を経て私の口元に来たのかなと、壮大に思いを巡らせるのもマインドフルであるといわれています。もちろん “美味しそうだな、早く食べたいな”という思いや感覚も大切です。

いちいちそんな風にして食べている時間はない!と思われた方もたくさんいると思います。その場合は、毎食ではなく1日1食、それも難しければ、最初の1口目だけでも、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。少しでもじっくりと味わうことで、マインドフルネスとしての効果だけでなく、「美味しい」という幸せもゲットできるかもしれません。

ふだんの食事で少し違った食べ方をするだけで、ちょっぴりでも幸せが貯められるなんて、素敵な方法ではありませんか?

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