公益社団法人 東京都教職員互助会

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東京都教職員総合健康センター

災害発生時のこころのケア その2

東日本大震災・教職員のメンタルヘルス支援(第1班)

東京都教職員総合健康センター 臨床心理士長 溝口 るり子

 東日本大震災で被害を受けた教職員のメンタルヘルス支援を開始し、まず宮城県の被災地を訪れました。

 現地はメディアで見聞きする以上の状況で、自然の凄さを見せ付けられました。 さぞかし美しい風景であったろうと思われる海岸線が瓦礫と廃墟となり、そのすぐ近くにはのどかな山村風景が広がり、あまりのギャップに現実かと混乱してしまいます。
教職員の方々の被害状況もさまざまで、多くの先生方が「ピンと来ない感じ」「まだ現実とは思えない」と語っていました。

 やっとの思いで避難した真っ暗な建物の中で、海水がすぐ近くまでせまり、港にあるタンクから流出した重油が炎上して近づいて来るなか、リアルに死を実感したそうです。子供たちの視界からその恐ろしい光景をさえぎるために児童を中心に座らせ、その周りを教員や大人が取り囲んで、空腹で厳寒のなか、不安な一夜を過ごしたそうです。教職員自身も家族や自宅がどうなっているのかが気が気でない中、まずは目の前の子供たちに少しでも恐ろしい思いをさせないように、ひたすら子どもの安全の確保に努めて行動している光景を思い浮かべると、言葉を失いました。

 今は前に進まなければと気を張っている状況で、予想したよりも先生方は元気で新学期のことを気にかけていますが、一息ついたときの健康状態が案じられます。
引き続き互助会総合健康センターでは東京都と連携して、被災地の教職員のメンタルヘルス支援を実施しており、「互助会報ふれあい夏季号」の臨時増刊号でより詳しくお伝えする予定です。

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