ふれあい感謝状21受賞者 活動報告
東京都立府中けやきの森学園 主幹教諭 吉岡 美佳

本校和太鼓部の活動のルーツは、平成17年、当時の都立府中朝日養護学校まで遡ります。当時、スポーツ系の部活動は盛んでしたが、運動が苦手であったり、ルールの理解が難しかったりする生徒たちが活躍できる部活動はありませんでした。そこで、生徒たちの活躍の場を広げることを目的に「和太鼓部」を立ち上げることにしました。そして、私は初代の顧問となりました。
私は、これを機に地域の和太鼓チームに入団しました。そして、その活動の中で、演奏・指導技術を身に付けるとともに、和太鼓のもつ魅力や可能性を体感し、以後18年間、和太鼓指導に生かしてきました。
現在の都立府中けやきの森学園(旧都立府中朝日特別支援学校)の和太鼓部は、週2回の平日練習と月1~2回の休日練習を行い、外部指導員の力も借りながら、個に応じた練習と全体練習により、生徒の演奏技術向上を図っています。


また、地域との交流の場を大切にしており、多いときは年間で10回を超える演奏活動を行っています。そのような活動の実績が認められ、今年の夏には、「第46回全国高等学校総合文化祭東京大会」、「第33回全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演」に出演する機会をいただき、栄誉ある舞台で「今を一生懸命生きる」というメッセージを堂々と表現することができました。私は、この経験を通して、生徒一人一人が成長し、人生そのものが豊かになっていることを実感しました。
また、地域での活動として、太鼓をやりたいという卒業生・保護者とチームを立ち上げたり、学校5日制活動に和太鼓を取り入れたりと、余暇の充実にもつなげてきました。併せて、NPOの活動として、都内の特別支援学校、特別支援学級の児童・生徒を対象にした和太鼓体験教室や練習会を企画し、発表の場となる和太鼓チャレンジコンサートも毎年開催するなどして、その範囲の拡大も図ってきました。

今は、それを支える支援者や指導者の育成にも努めています。
私は、これまでの実践を通して、和太鼓には人を笑顔にする力、人と人を繋ぐ力、そして、人生を豊かにする力があると実感しています。
「太鼓で笑顔 みんな繋がれ 輝けいのち」をキャッチフレーズに、今後も和太鼓を通じた様々な活動を続けていきたいと考えています。