府中市立府中第四中学校　校長　重山　直毅

令和5年度、本校合唱部は、第1学年29名、第2学年40名、第3学年21名の90名で活動している。全校生徒の約6分の1が所属している本校最大の部活動である。顧問をはじめ保護者・卒業生等の献身的な協力の下で活動が行われている。

合唱部に所属している生徒は、小学校で合唱団の経験のある生徒もいるが、合唱は初めてという生徒も多く、必ずしも合唱を得意としている生徒ばかりではない。「音楽活動を通して豊かな人間性を育む」を活動方針とし、活動の基本に人間関係の形成を置いており、言葉遣い、礼儀やマナー、感謝の気持ちや他者に貢献する態度などを大切にしている。
そして、その土台を基盤に合唱における表現のスキルを高めている。練習の特徴として、生徒たちの主体的な取組によって限られた練習時間を有効に活用し、効率的な練習を行っていることがあげられる。パートごとに課題を生徒たちで見付け、解決方法を見出し、全員で協力して障壁を乗り越えることによって、合唱表現における質の高さを自分のものにしている。顧問は必要に応じて助言をする程度の支援にとどめ、生徒たちが自ら成し遂げたという達成感を残すよう工夫している。

また、合唱部員たちは、合唱部の中だけでなく、学級活動や合唱コンクール等の学校行事においても中核となって活躍するとともに相手を思いやる態度などを通して、他の生徒の模範となり、学校全体に活力を与えている。さらに地域に対しても感謝の気持ちを形で表すという姿勢をもち、府中市や地域の依頼を受け合唱を披露するなど、地域の活性化に貢献しており、地域は合唱部の活躍を心より応援してくれている。

これまでも、NHK全国学校音楽コンクール、TBS子ども音楽コンクール等の各種コンクールにおいて多くの賞を受賞してきた。令和5年度は全日本合唱コンクール全国大会で金賞・文部科学大臣賞を受賞することができた。今後も、学校内にとどまらず地域の活性化にも貢献できるよう、支えてくださる皆さんへの感謝の気持ちをもって活動をしていきたいと考えている。