公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

清二研究会

研究テーマ

研究期間:平成19年4月1日 から 平成27年3月31日 まで

研究結果の概要

本校では平成19年度の特別支援学級開級から通常の学級との関わりに関する研究が始まった。開級から8年目となる本年度、今までの実践を振り返り、どのような取り組みに効果があったのか整理をし、児童、教職員、保護者の立場から検討を加えた。

研究の成果
1.児童における交流効果

本校においては、毎日の「交流学習」「交流給食」、月に1回の「たてわり班活動」や「たてわり清掃」、年間6回の「たてわり給食」は日常的に行われている。また学校行事や宿泊行事も全て一緒に行っている。このことは通常の学級と特別支援学級をつなぐ、大きな交流となっている。これらの活動により、得手不得手は一人一人の個性であり、障害の有無とは関わらないことを子どもたちは体得した。

2.教職員による交流効果

学校長による学校経営方針に、通常の学級と特別支援学級に隔たりをつくらず一緒に学校生活を営むという方針がある。「校内研究」「通常の学級・特別支援学級交流研修」「特別支援教育研修」「生活指導会議」などを通して、通常の学級と特別支援学級の経営の方針を互いに共有し、互いに理解し合って信頼関係を結んだ。そして通常の学級担任が特別支援学級に在籍する子どもの特性を理解し、また特別支援学級担任も通常の学級に在籍する子どもや集団を理解することによって、共に子どもを育てる意識をもった。

3.保護者による交流効果

「PTA役員会・運営委員会」「PTA行事の実施」「PTA子ども安全見守り隊」「宿泊行事サポート」「学年親子活動の合同実施」「卒業に向けての保護者サポート」など、保護者同士もPTA活動などを通して一緒に活動している。特に本年度は学校統合に関わる話し合いが多くもたれた。それぞれの立場にある子どもたちを、どのようにしたらよりよく育てられるのか、保護者同士も高い意識をもつことができた。

◎共通しての交流効果

小規模校である本校では、児童や教職員、保護者が一人一人のことを理解している。そして日々の何気ない多くの交流が理解を促し、一人一人の人権を大切にしている。これらは特別のことではなく、当たり前のこととして行われている。これらが結果的にインクルーシブ教育つながっている。

【その他】

本校は平成28年3月で閉校となる。そして閉校後は、通常の学級と特別支援学級が分離して、それぞれ2つの学校と統合されることになった。本研究は、なかなか例を見ない研究であると自負している。最後となる次年度も継続していく予定である。

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