公益社団法人 東京都教職員互助会

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教育研究グループ支援(研究成果報告)

東京都立小平特別支援学校

研究テーマ

研究期間:令和4年4月1日から令和5年3月31日まで

研究結果の概要

武蔵分教室長期在籍学級の概要と研究の目的

本学級は、国立精神神経医療研究センター病院内に入院する児童生徒の教育を担っている。その中でも、長期入院している児童生徒の中で、肢体不自由・知的障害がともに重度で、かつ人工呼吸器等の医療的ケアを常時必要としている児童生徒は、寝たきり状態が恒常化し、自ら外界に働きかける機会が非常に少ない。コロナ禍における面会制限が常態化し、さらに人との関わりが限定されてしまっているのが現状だ。病院に長期入院する児童生徒における教育的・心理的ケアの必要性は喫緊の課題といえる。近年、e-AT(electronic and information technology based Assistive Technology)を用いることで、障害による困難さのある子どもたちの学習や生活が豊かになる事例が数多く報告されている。本研究では、長期入院する重度重複障害のある児童生徒が、体験的な学習活動を行う場面において、e-ATの効果的な活用と課題を検証していく。

研究の成果

Ⅰ:生活年齢が低年齢で、初期発達段階の児童の場合については、視覚・聴覚のみを用いたリモート学習では学習の深まりが難しい。リモート学習であっても、e-ATを用いた、児童の好みを生かした感覚遊びを保障できるような学習設定を工夫した。直接的な体験的学習が、児童の学びにとっては必須であり、有効であった(本研究事例①)。
Ⅱ:オンライン行事は、オンラインと具体物を随伴させながら実施する、ハイブリット型の行事設定が有効であった。加えて、生徒の発達段階と学習経験、および、心理的現況の複数軸を考慮することで、行事における学習活動の有効性を高めていくことができた(本研究事例②)。

まとめ

重度重複障害があり、長期入所している児童生徒の「体験的な学習活動」については、児童生徒各々が持っている力を最大限発揮できるようe-ATを効果的に使うことが重要である。その際、児童生徒の発達段階や好み、生活経験および感覚活用の状況などを精査しながら、直接的な体験の機会を十分に設定することの重要性が、授業実践により明らかになった。

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