教育研究グループ支援(研究成果報告)
東京都技術・家庭科研究会研究部「エネルギー変換」分科会
研究テーマ
- 「確からしさ」を主体的に追求する生徒の育成 ~複合題材での指導の工夫~
研究期間:平成27年4月1日 から 平成28年3月31日 まで
研究結果の概要
1. 研究のねらい
現在、多くの電化製品はコンピュータが内蔵されており、そのしくみについての大部分がブラックボックス化されていて、そこにある技術を理解しにくい現状がある。
そこで、実際に販売されている「自動お掃除ロボット」を生徒自らが製作することで、学びへの関心を高め、しくみやその技術を知り、目的に合うよう調整しながら、エネルギー変換の技術を学習することができるようにした。本研究では、技術への関心・意欲を高め、エネルギー変換の技術に対して適切に選択・判断し、主体的に考え行動できる生徒を育てることを研究のねらいとした。
2. 研究内容
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3年間の指導計画立案
小学校での既習事項や理科の電気学習との関連、各指導内容との連携、複合題材の効果的な配置を考慮し作成した。 -
「確からしさ」を高める指導の工夫
情報収集についての指導と分かりやすいマニュアルの提供を行うことで、生徒の能動的な活動を促した。また、生徒間で比較検討する場面を設定し、比較しながら「確からしさ」を高める指導を行うとともに、作業を振り返り、評価する活動を促した。 -
複合題材による指導
機器名表示板に回路図を表示して、取扱いの説明をした。また、1年次のコンピュータ外付け装置の取り付け作業と自動お掃除ロボットの回路理解をつながるよう指導した。
3. 研究のまとめ
複合題材に取り組むことで、実際の製品のしくみや技術に関心が高まり、製作意欲を高めることができた。また、各指導内容の関連性とストーリー性を重視した3年間の指導計画により、繰り返し学習することで基礎的・基本的な学習の習得ができた。
課題としては、製作速度に差がでてきた場合の、発展的な課題や補充的支援を工夫し、複数準備していく必要がある。さらに、実践研究を継続し、成果検証を確かなものにしていきたい。