教育研究グループ支援(研究成果報告)
大田区立中萩中小学校
研究テーマ
- 主体的に考え、表現できる児童の育成(理科、生活科)
研究期間:平成27年4月1日 から 平成28年3月31日 まで
研究結果の概要
27年度は理科・生活科を通して「主体的に考え、表現できる児童の育成」を目指し、児童の思考力・表現力を育て、学力の向上を図った。
以下のように年間4回の理科の授業と2回の生活科の授業を通して研究を進めてきた。
- 6月17日(水)5年研究授業「魚のたんじょう」
- 7月1日(水)6年研究授業「てこのしくみとはたらき
- 9月16日(水)2年生活科研究授業「あそんで ためして くふうして」
- 10月14日(水)4年理科研究授業「水の3つのすがた」
- 11月4日(水)1年生活科授業「みんなであそぼう はる なつ あき ふゆ」
- 1月13日(水)3年理科研究授業「じしゃくのひみつ」
研究授業の視点は次に示すとおりである。
- 理科「問題提示の工夫」「分かりやすい観察実験、結果の整理」
- 生活科「「問題提示の工夫」「体験的な活動の工夫」「伝える場の工夫」
そして、研究授業を通して次のような成果と課題をまとめることができた。
生活科
-
○成果
仮説①「問題提示の工夫」- 作り方や遊び方が簡単であったため、作ることに苦手意識がある児童も意欲的に活動できた。
- 自分で拾いに行ったり、作ったり、遊んだりする具体的な活動や体験を取り入れることにより、意欲的に活動に取り組める児童が増えた。
- 同じ遊び方で班を作り、互いに見合ったり教えたりする活動により、気付きが生まれやすくなった。
- 児童の気付きを「直観的な気付き(みつけた)」、「活動して生まれた気付き(わかったよ)」「思考的な気付き(おもったよ)」の種類に分け、児童に発表しやすくしたり、聞く人が理解しやすくしたりすることで、学び合いが生まれ、新たな気付きが生まれた。
- 「やらせてあげますね」や「○○の秋ですね」の話型を活用し、自分の遊びや気付きを伝える場を設定することができた。
- 学習の流れを掲示したり、パターン化して授業を進めたりしたことで、活動の中で自ら気付きを見つけ、発表することにつながった。
- ●課題
- 教師の思い描く授業計画だけでなく、児童の思いを反映させた授業展開の工夫が必要である。
- 生活や遊びの経験の少なさ、個人差を踏まえた単元計画や支援法を工夫する。
- カードに書いた気付きを進んで発表したくなるような手立てを考える。
- 児童が試行錯誤を繰り返し、条件を変えて試してみる過程を大切にした授業展開を行う。
理科
-
○成果
仮説①「問題提示の工夫」- 単元の初めに、演示実験などの問題を見いだす学習活動を取り入れたことで、問題に対して児童が興味をもった。
- 身近な問題を取り上げたり、体験的な活動を取り入れたりしたことで、問題に興味をもって学習に取り組めるようになってきた。
- 学習の流れを統一し、「学習の流れマグネット」を活用したことで、見通しをもって教員も児童も授業を進めることができた。
- 結果を表やグラフに表すことで、分かりやすくまとめることができた。
- 考察の視点を与えたことで、視点に沿って、考察をまとめることができる児童が増えた。
- 実験用具の安全な使い方について、重点を置いて指導し、その使い方が身に付いた。
- ●課題
- 児童の疑問を単元計画に生かすなど、さらに児童が興味をもてる問題設定の工夫を考えていく。
- 問題に対する一人一人の予想をクラスで十分に共有し、「やってみたい」「たしかめてみたい」と主体的に問題に向かわせることが必要である。
- 着目させたい結果をとらえられるように、分かりやすい結果の整理の仕方を考えていく。
- 結果から問題について何が分かったかを理解していないことに対する指導の工夫が必要である。
- 発達段階に応じた考察の書かせ方を考えていく。
- 学んだことと生活とのかかわりを結び付け、理解を深めさせる。
- 実験用具の整備を計画的に行っていく。
「視点に対する手立て」についてまとめたものは別紙。