「断りたい」けど「断れない」

「本当は断りたいけど、断れなかった」という経験はありませんか。頼みごとを断ったら、「相手は嫌な思いをするかもしれない」「もう声をかけてくれないかも」「今後の関係性にひびが入るかも」という考えが過り、断ることができずに気が付くとキャパオーバーになっている…という場合もあるかもしれません。このような状態は、自分優先ではなく、相手優先になっている状態と言えます。やや自己犠牲的な行動になっているので、長期的にみると心身の負担となっていきます。
以下に対策を4つ書いてみましたので、参考にしてみてください。
① 自分の考えを認識する
→自分が他者の期待に過剰にこたえようとしているという考えがあることを認識しましょう。また、なぜそのような考えになっているのかを分析してみましょう。自分への評価が低いからなのか、嫌われたくないという思いが強いのか、感情の表出が苦手なのか、いろいろな要因があると思います。しかし、自分が無理をしてまで相手の期待に応える必要性はないことが多いです。
② 断る練習をする
→大きな仕事を断ることは難しいかもしれませんが、小さいことから断る練習をしてみましょう。家族や友人など、断っても関係性が破綻しない方々と、些細な断り事から始め、できたという成功体験を増やしてみましょう。
③ アサーショントレーニングを行う
→アサーショントレーニングは「自分も相手も大切にした自己表現」の仕方です。断れないというノン・アサーティブな状態から、自分も相手も大切にできるアサーティブな状態を作れるようにしていきましょう。その中でもDESC法を用いると伝えやすいかもしれません。
※DESC法とは、英語のDescribe(描写する)、Express(説明する)、Suggest(提案する)、Choose(選択する)の頭文字を取った言葉で、自分も相手も尊重するコミュニケーションのこと。
④ カウンセリングで相談する
→断れないことによるストレスが大きい場合には、1人で抱え込まずにカウンセリングなどで相談してみてもいいかもしれません。
上記の方法が物理的にできない、なにをすればいいのかわからない、自分に合う方法が見つからない、などのときには、職場外に設置された、こころのケアの専門家による「こころの相談」を上手に活用していただければと思います。