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東京都教職員総合健康センター

回避行動を減らし行動を活性化してみよう

心理療法の中で、認知行動療法の中の一つに位置付けられる行動的なアプローチの手法として、「行動活性化」というものがあります。人間の感情と考え、行動、心身反応は相互作用があるという考えのもとに進めていきます。感情を変えることと、行動を変えること、どちらのほうが簡単でしょうか。いきなり「怒ってください」というより、「窓を開ける」のほうが簡単にできるものです。「気分が落ちてやる気が出ない。もう少し気分があがれば外出でもして気分が変わるのに」という状態から、「とりあえず外に出てみる。多少気分がましになった」となれたら理想的です。気分や感情が改善するのを待っていても、変化には時間がかかります。行動を変えると、気分や感情の変化がみられることがあります。このように、「行動が変わると気分が変わる」ことを体験することが重要です。

気持ちの落ち込みにより、何もできなくなる状態では、「なんで自分は何もできないのか」という自分を批判的にとらえ、さらに何もできなくなるという悪循環が生じてきます。そのようなときに、少なくともご飯は食べることができた、窓を開けることができた、ポストを見に行くことができた、など、できているところに目を向けていきます。

人間は落ち込んでいるときにはネガティブな出来事を避けることが多くなります。「動くと疲れちゃうから横になる」「失敗したくないから何もしない」など、回避的な行動パターンが増えていきます。この回避的な行動パターンを変えていくのが、行動活性化になります。落ち込んでいるときに意識的に「自分のしたいこと」を行うことで、やりやすいところから実施してみましょう。その時に自分の感情がどう変わったかをチェックしていきます。そのために、まずは小さくても、喜びや達成感が得られそうな活動を探してあげてみましょう。パズルをする、筋トレをする、散歩をしてみる、空を眺めてみるなど、些細なもので構いません。それらも難しいなと思った時には、今までのやったことのある行動で、楽しかったこと、好きだったことを思い出してみましょう。

ポイントは、回避的な行動は、自分でも気が付かずに自然としてしまうことが多いです。そのため、できるだけ客観的に行動パターンを記録し、気分がよくなる行動と気分が悪くなる行動を調べることが重要です。思い切ってやってみた行動を記録し、そのときにどのような感情になったかを記録してみてください。また、「何もできなかった自分」が記録を書くことによって、実はいろいろやっていたことに気が付けるかもしれません。

とはいえ、上記の方法が難しい、なにをすればいいのかわからない、自分に合う方法が見つからない、などのときには、1人で抱え込まずにカウンセリングなどを利用し、相談してみましょう。職場外に設置された、こころのケアの専門家による「こころの相談」を上手に活用していただければと思います。

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