バーンアウト(燃え尽き)症候群
近年、教師や介護職などの対人援助職の方々が、精力的に行っていた仕事に対し、急にやる気を失うことが報告されています。これらは、バーンアウト(燃え尽き)症候群と呼ばれます。これらは「長期間にわたり人に援助する過程で、心的エネルギーを絶えず過度に要求された結果、 極度の心身の疲労と感情の枯渇を主とする症候群であり、自己卑下、仕事への嫌悪、無関心、思いやりの喪失などを伴う症状」(Maslach & Jackson, 1981)と定義されています。
バーンアウトには、心身共に疲れ果て、何もしたくないという「情緒的消耗感」や、対人援助職から援助を受ける相手側からの配慮がなくなり、無関心や拒否感が高まる「脱人格化」、仕事への達成感がなくなり、喜びや楽しさを見いだせなくなる「個人的達成感の低下」が見られます。
では、このような状態を防ぐために、できることはなんでしょうか。
一番は仕事とプライベートをしっかりと分けられるようになることです。
とはいえ、上記の方法が物理的にできない、なにをすればいいのかわからない、自分に合う方法が見つからない、などのときには、1人で抱え込まずにカウンセリングなどを利用し、相談してみましょう。職場外に設置された、こころのケアの専門家による「こころの相談」を上手に活用していただければと思います。
バーンアウトになりやすい方は、仕事に対してまじめに取り組み、手を抜いてこなかった方が多いです。仕事をしやすいように周囲とのコミュニケーションをとり、過剰に疲弊した方や、長時間労働や、過剰な業務量、それによりプライベートな時間が削られていることもあります。
そのため、職場から離れたら仕事のことを考えない、オーバーワークであれば上司に相談する、周囲の人に頼ることも必要です。
「みんなもやっているから自分もやらなければ」と思う方もいるかもしれませんが、仕事の許容量は人それぞれ違いますし、中には適度に手を抜きながら仕事をしている人もいるかもしれません。通勤時間も含めると、仕事の時間は起きている時間の半数以上の時間を要しています。その間ずっと仕事に追われていたら疲れてしまうのは当然です。
離席した際に簡単なストレッチをしたり、趣味の時間を確保したり、普段より睡眠時間を長めにとることもお勧めです。ぜひ自分に合った自分を労わる方法を見つけていただければと思います。
引用文献
Maslach, C. & Jackson, S. E. 1981 The measurement of experienced. Journal of OccupationalBehaviour, 2(2), 99-113.













