公益社団法人東京都教職員互助会 三楽病院

胆道・膵臓

胆道(胆のう・胆管)や膵臓に生じる病気には、胆石症、がん、炎症などのほか、がんになりやすい病変(一部の腫瘍性膵のう胞や先天性胆管拡張症など)、がんとの鑑別が難しい病変などがあります。

胆道・膵臓疾患の診断や治療には、外科と内科の連携が不可欠です。当院では、検査・処置・手術の内容やタイミング等についても綿密に検討を行いつつ、迅速に進めています。

胆道は肝臓や膵臓・十二指腸につながっています。また、膵臓は十二指腸や胆管とつながっており脾臓に近接しています。このような理由で、胆道・膵臓・十二指腸に発生した腫瘍に対する手術では連続する臓器を合併切除しなければならないことがあり、手術に関連した合併症の発生は頻度が高くなります。また、激しい炎症を生じた胆のう炎に対する胆のう摘出術などは決して簡単な手術ではありません。これらの胆道・膵臓外科療法において、最大限に安全性を追求し、標準的で適切な医療を提供しています。

なお、三楽病院人間ドックでは3テスラMRIによる上腹部検査が受けられます。胆道・膵臓疾患の発見にお役立て下さい。

三楽病院外科で診療している胆道・膵臓疾患の一部については、下記をクリックしてご参照ください。

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胆石症

《男性や高齢者に多くなってきた》

《男性や高齢者に多くなってきた》

胆石症には、胆のう結石、総胆管結石、肝内結石があります。胆石症は女性に多かったのですが、2013年の全国調査結果では、胆のう結石と総胆管結石はいずれも男性に多く認められるようになりました。また、受診時平均年齢は16年前の調査時と比較して高齢化し、胆のう結石64歳、総胆管結石73歳となっています(日本胆道学会学術委員会 『胆石症に関する2013年度全国調査結果報告』 胆道28(4);612-617, 2014)。
肝内結石は衛生環境や食事の変化により、近年は減少してきましたが、肝切除を要することもあります。

《内科と連携した治療が必要》

胆石が引き金となって、胆管炎や胆のう炎を生じると、時に致死的となることがあります。状態に応じて、胆道ドレナージ(内視鏡下処置や超音波ガイド下処置)や手術治療(内視鏡下結石摘出術や腹腔鏡下胆のう摘出術など)を、機を逃さずに行える体制で治療を進めていく必要があります。三楽病院外科では内科と連携して一連の治療を行っています。

《腹腔鏡下胆のう摘出術》

有症状の胆のう結石や胆のう結石が原因と考えられる総胆管結石などに対しては、腹腔鏡下胆のう摘出術が推奨されています。胆のう自体が炎症性に変化している等の理由で、腹腔鏡下に胆のう摘出術が行えないことがあります。2013年の全国調査によると、胆のう結石症に対する治療方法の内訳は、腹腔鏡下胆のう摘出術79.8%、開腹手術10.6%、その他9.7%でした。当院の2015~2016年の胆のう摘出術は、腹腔鏡下が98.6%、開腹が1.4%でした。腹腔鏡下か開腹かはあくまでもアプローチの違いであり、安全に手術を行うことが最も重要です。

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胆のうポリープ・胆道癌

《長径10ミリ超のポリープは要注意》

胆のう内側にできた隆起性変化を総称して「胆のうポリープ」と言います。胆のうポリープのうち、コレステロールポリープ、炎症性ポリープ、過形成ポリープは良性のポリープです。腺腫は基本的には良性ですが、がん化する可能性があります。
大きさが10ミリを超えるとがんの可能性が高いため、良性であるという確かな裏付けがなければ、胆のうを摘出することが勧められます。

《がんの広がり具合を厳密に診断することが胆道がん治療法の選択に重要》

「胆道がんは治らない」──全てがそうではありません。手術を主軸に治療することで治る人もいます。胆管は肝臓や膵臓の内部にも入り込んでいるため、ほとんどの胆道がんの手術治療では肝臓や膵臓の一部を同時に切除します。
また、胆道の近くには門脈や動脈といった血管があるため、血管も切除しないとがんが摘出できない場合もあります。どの範囲を切除すればいいのか、手術して耐えられる見通しはどの程度あるのかなどの判断は、専門的な知識を持った医師が胆道がんの広がり具合を厳密に診断した上でこそできることです。手術が可能かどうかの選別は、時にミリ単位のがんの広がり診断で行われます。当院では慎重に検討した上で、治療法の選択肢を提示しています。

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腫瘍性膵のう胞

《膵臓がんになりやすい膵のう胞とは?》

《膵臓がんになりやすい膵のう胞とは?》

非腫瘍性膵のう胞は、先天的なもの等と考えられがん化する心配はありません。
これに対し、腫瘍性膵のう胞のうち、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)、漿液性嚢胞腫瘍(SCN)はがんになる可能性があると考えられています

《膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と診断されたら…》

最も高い頻度で見つかるIPMNは、がんになる可能性の大きさを考慮して3つのタイプに分けられます。検査などの所見に基づいて、(1)手術した方がよいタイプ (2)精査(超音波内視鏡検査や細胞診検査など)した方がよいタイプ (3)定期的なCT/MRI検査などで経過観察するのがよいタイプ、に分類されます。三楽病院外科では、手術治療に加えて、膵のう胞性疾患の診断や経過観察も行っています。

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膵腫瘍

《膵臓がんの治療には抗がん剤も重要》

「膵臓がん」と診断がついた時には治癒切除できない場合の方が多いのが現状です。しかし、中には、がんが局所的に進行している場合などで、抗がん剤治療を行ううちに切除が可能となることもあります。一方、治癒が期待できる手術の後には、抗がん剤(内服薬)治療を追加した方が、追加しない場合よりも予後が良くなることが分かっています。

《膵神経内分泌腫瘍は十分な診断・治療を》

インスリン、グルカゴン、ガストリンといったホルモンを産生する細胞に由来すると考えられる腫瘍が「神経内分泌腫瘍」です。膵臓内に発生したものを「膵神経内分泌腫瘍(pNET)」と言います。腫瘍から分泌されたホルモンにより症状を呈する場合(機能性)と呈しない場合(非機能性)とに分類されます。通常の膵臓がんよりはゆっくりと増殖することが多いですが、周辺臓器へ浸潤したり他臓器へ転移・再発したりして致命的になる場合もあります。症状が無くても、十分な診断や治療を受けることをお勧めします。

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  • 医療は患者と医療側、相互の信頼がないと成り立ちません。医療側は患者に最大限の診療情報を提供し、患者はその情報を基に理解し、同意し、選択することで治療に参加することが必要です。そのためには医療側の情報の共有と意思の疎通が不可欠です。これらが適切に保たれていることこそ医療本来の姿であると考え、当院もそれを追求しています。 「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」は孟子の詞です。それぞれが重要ですが、その中でも人の和が特に大切であります。 程よい緊張感を保ち、情報の共有と人の和を高めながら良質な医療を目指して共に働く医師、医療従事者を心より歓迎したいと思います。是非、三楽病院へおいでください。

  • 三楽病院は1933年、東京都の教職員とその家族を対象として設立されました。1988年からは一般の患者様にも開放している 総合病院 です。