診療科
耳鼻咽喉科Otolaryngology
主な対象疾患
主な対象疾患
耳炎による難聴の治療
風邪をひいたあとに鼻の奥から中耳に感染が及び、急に耳が痛くなって、聞こえが悪くなるのが急性中耳炎です。子供に起こることが多いですが、大人で発症すると時に重症化します。
急性中耳炎の後などで鼓膜に穴が生じてしまい、感染(耳だれ)を繰り返すのが慢性中耳炎です。手術で鼓膜の穴をふさぐことで感染・難聴が改善することがあります。
鼓膜の一部が中耳の方にめくれ込んでしまい、耳の中で塊を作って骨などを破壊しながら奥にひろがっていくのが真珠腫性中耳炎です。進行の方向や程度により症状は違いますが、どんどん奥に進行する場合には手術が必要です。
突発性難聴
急に片側の耳が聞こえにくくなる病気です。耳の一番奥の「内耳」の働きが落ちる病気ですが、原因は今のところ分かっていません。
突発性難聴の治療で最も重要なことは、なるべく早く治療を開始することです。2,3週間たつと治療しても改善しないことが多くなります。治療には主に副腎皮質ホルモン(ステロイド)という薬を使います。薬の副作用で血糖値や血圧が上がったりすることがあります。
通院治療でよくならない場合、突発性難聴そのものが重症の場合、糖尿病などの持病がある場合などは入院で治療を行います。入院期間は1週間です。
なお、残念ながら入院で治療をすれば確実に治るわけではなく、改善しないことや、ある程度は改善してもご本人にとっては十分ではないこともあります。
アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎の治療(薬物治療、手術治療)
アレルギー性鼻炎の治療は、今のところ決定的なものがありません。
アレルギーの原因物質に体を慣らしていく「減感作療法」は年単位の時間がかかり、改善の度合いは人によって様々です。また、原因物質が多種にわたる場合には治療が困難となります。アレルギーを根治することができる可能性がある点では理想的な治療ですが、当科ではおもに薬物による治療をおこなっています。アレルギー性鼻炎の症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりの3つとされています。人によってどの症状が重いかは違いがありますので、一人ひとりの症状に合わせた内服薬、点鼻薬を処方するように心がけています。
薬の効果が不十分な場合や、薬をなるべく使いたくない場合など、手術による治療を行うこともあります。おもに鼻づまりに効果があります。1週間程度の入院で手術(下鼻甲介切除など)を行うこともありますが、よほど重症でなければ日帰り手術(高周波による下鼻甲介粘膜下凝固術)で十分です。レーザー手術とほぼ同じ効果があります。
慢性副鼻腔炎の治療
慢性副鼻腔炎は昔「蓄膿症」とよばれていました。膿のような色のついた鼻汁が出て、鼻が詰まり、頭の重い感じや頭痛が慢性化するのが特徴ですが、現在では薬である程度軽くなることが多くなっています。一方で、アレルギーなどの関与により透明な鼻水が持続するタイプの慢性副鼻腔炎が増えています。
薬での改善が不十分な場合には手術を行います。20世紀には鼻外手術といって、口の中の歯茎のあたりの粘膜を切って、副鼻腔内の病変を除去する手術が多く行われていました。局所麻酔で行うことも多く、大変痛かったようです。現代の副鼻腔手術は鼻の穴から中に内視鏡を入れてテレビ画面で観察しながら行います。入院期間は1週間程度です。
声帯結節、声帯ポリープの治療
声帯結節は、両側声帯の中央付近に生じた小さな隆起(もりあがり)です。これは声の使いすぎによる機械的な摩擦で生じた、いわゆる「たこ」のようなもので、学校教師や保育士、歌手など声をよく使う職業の人に多く発症します。
一方、声帯ポリープは声帯の中央付近に生じた隆起で、声帯結節と異なり通常片方の声帯にできます。大声や負荷のかかった声を出すことにより、出血や機械的摩擦が原因となって生じると考えられています。
薬での改善が不十分な場合や、早急な改善を望む場合には手術が必要になります。
手術は、全身麻酔にて行います。口の中からとりますので首に傷がのこることはありません。病変はミリ単位のとても小さなものであり、正常な組織をとりすぎると逆に声が悪くなることもあるため、慎重な手術を心がけています。入院期間は基本的に2泊3日ですが、術後1週間程度の発声禁止期間を要します。1ヶ月ほどすれば普通通りに歌が歌えるまで回復します。
また、声の使い方に問題があると考えられる方に対しては、適宜声の衛生について指導いたします。
頚部腫瘍(耳下腺、顎下腺、甲状腺などの腫瘍)の診断と治療
首にできものができた場合は一般の内科・外科で診察することもありますが、頚部の手術を主に行い、頚部の構造・様々な病気に精通しているのは耳鼻咽喉科です。
リンパ節がはれた場合、頚部の臓器(耳下腺、顎下腺、甲状腺)に腫瘍ができた場合など様々ですが、CTやMRIなどの画像検査、腫れているところを針で刺して細胞を採取する細胞診、血液検査などを行い正確な診断を下すことが必要です。
頚部には多数の神経・血管などが集まっています。手術の際には神経の損傷などを起こさないように尽力するとともに、傷跡が残りにくいように皮膚切開は最小限にとどめ、丁寧に縫合するようにしています。
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